翻刻
渙然(くわんぜん)として自然(しぜん)に陽気(やうき)を宣通(せんつう)し
欝(うつ)をひらき滞(たい)を通(つう)し瘀(を)を排(はゐ)し
結(けつ)を解(と)き関節(くわんせつ)を利(り)し経絡(けいらく)をめく
らし寒(かん)をさり湿(しつ)を去(さ)ることゆへに
急(きう)にばた〳〵と気をせきて欲(よく)いりをな
し或は汗(あせ)をかくほど長(なが)いりをなす
は却(かへつ)而害(かい)をまねく媒(なかたち)なり故に浴(よく)する
時はまづ杓(しやく)にて湯(ゆ)をくみ湯壺(ゆつほ)の
はたへそゝぎあたゝめその所に腰(こし)をかけ
足を湯壺(ゆつほ)にひたし湯を手にむすび
て面(おもて)をあらひ随分(ずいぶん)と気を和(くわ)し心を
平(たいらか)にしそろ〳〵と杓(しやく)に湯をくみて両(りよう)
肩(かた)より腹背腰(はらせこし)のまわりにそゝぎ何(なん)
遍(べん)ともなくゆるやかにかくのことくして
惣身(そうしん)のほつこりとあたゝまりたる以後(いご)
静(しづ)かに湯壺(ゆつほ)の内へひたりて惣身(そうしん)に