みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

温泉考 - 翻刻

温泉考 - ページ 20

ページ: 20

翻刻

およひ飲食(いんし)を以て補養(ほやう)すべしといへり これ肝要(かんやう)の語なり滅体無性(めつたむしよう)に湯に入る ばかりにてその外の飲食身持(いんしみもち)に養生(やうしよう) おろそかなれは却(かへつ)て大害(たいかい)を招(まね)く備前(びぜん) の河合章尭(かわいあきたか)といふ人の有馬(ありま)の記(き)にお よそ湯治(とうし)の人|温泉(おんせん)をおろそかに おもふゆへに養生(やうしやう)の節(せつ)【左ルビ:ほど】を失(うしな)ふ四民共(しみんとも) におしむべき時日(じじつ)をついやすのみなら す仕官(しくわん)たる身はいとまなき君辺(くんへん)のつとめ をかきてこの地に来りながら養生(やうしよう)をお ろそかにするはあさましき事なり 唯温泉(たゝおんせん)を君(きみ)のことく神(かみ)のことくおもい て病をのそく術(てだて)を思ふへしとかける はさることそかし 一 およそ温泉(おんせん)に浴(よく)して病を療(りよう)すること ちはやふる神世(かみよ)のいにしへより初りし