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もへるは深(ふか)く考(かんか)へさるあやまりなり又
|太冲(たちう)の説(せつ)に硫黄(いわう)といふものは温泉(おんせん)
によつて生ずるものなり硫黄(いわう)はすな
はち是湧泉(これゆうせん)の発(はつ)する滓(かす)なりといへる
は是(これ)又あやまりなり右にいふことく
温泉(おんせん)も地中(ちちう)の陽火にて湧(わ)き硫黄(いわう)
も地中(ちちう)の陽火土中(やうくわどちう)の膏液(こうゑき)を蒸(む)し
こらすものゆへに硫黄(いわう)と温泉(おんせん)とつれ
そふことはつれそふ理なれ共|必竟(ひつきやう)ずる
ところ温泉は温泉|硫黄(いわう)は硫黄たとへは
地中(ちちう)の火(ひ)は母(はゝ)にして温泉(おんせん)と硫黄(いわう)は兄弟(きやうだい)
なるかことし故に硫黄温泉を生すと
いへるはもとより非(ひ)なり又温泉硫黄を
生ずといへるもあやまりなりそれゆへ
温泉ある所硫黄のなき所もあり硫黄
のある所温泉のなき所もあり又いづく