みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

温泉考 - 翻刻

温泉考 - ページ 41

ページ: 41

翻刻

はひとつなれども所〳〵によりてその美(び) 悪臭味極寒微冷(あくしうみこくかんひれい)の相違(そうい)あり水のうぶに 相違はなけれ共その土地|次第(しだい)なり温泉 の能毒(のうとく)に相違(そうい)のあるもかれとおなしこと なりといへるはまことにもつともなる説(せつ)なり 彼既(かれすで)に地中(ちちう)に陽火(やうくわ)ありという大段(たいでん)を合(か) 点(てん)せしゆへるその言(ことば)の味(あちわい)あることかく のことし 一 宋(そう)の諸老先生(しよろうせんせい)の性理(しやうり)の説(せつ)に天下の人に 愚痴賢不肖(くちけんふしやう)の相違(そうい)あれともその本(ほん) 然(ぜん)の性(せい)はもと二致(じち)あるにあらずその相(そう) 違(い)の出来るは気稟(きひん)の清濁(せいだく)によりて或は 賢(けん)となり或は愚(ぐ)となるその本然(ほんぜん)の性(せい) のまゝなれは至善中和(しせんちうくわ)の正(せい)なりとの たまへるとおなしき道理(とうり)にて温泉も その沸(わき)出る土中の水|筋(すち)湯|筋(すち)銅鉄銀(あかゝねてつぎん)