翻刻
鉛礬石丹砂礜石砒石(なまりばんせきしんしやよせきひせき)などの一切(いつさい)の異(い)
気(き)をうけず異気(いき)にそますして自然天然(しせんてんねん)
陰陽交会水火妙合(いんやうこうくわいすいくわしやうこう)のうぶのまゝにてそ
の上に純陽硫黄(じゆんやういわう)の気(き)と太陰黄土(たいいんわうど)の精(せい)
とをあわせ帯(おび)て沸(わき)出る温泉是(おんせんこれ)を極上
〳〵の良湯(りようとう)とす故に或は鉄漿(てつしやう)の臭気(しうき)を
なしその外|種ゝ(しゆ〴〵)の異臭(いしう)あるはよろし
からず臭(にほひ)はたゝ硫黄(いわう)の気あるをよしとす
それもあまり甚(はなはた)しきにすくるはこのまさる
ことなり又その味或は苦(にか)く或は酸(す)く或は
しぶく種(しゆ)〳〵の異味(いみ)あるは甚(はなはた)あしくその
内しぶきと酸(す)きとは別るあしく左様の味
の湯はかならす小瘡梅瘡(しやうそうばいそう)の類の出(で)
来物(きもの)を裏(り)へおひこみて癒(いや)すものなり
かならすその湯に浴(よく)すへからず是最下(さいげ)
の毒湯(とくとう)なり味はたゝ白湯(さゆ)をのむに