翻刻
ひとしきをよしとす又すこし塩けのあ
るもよしことの外塩つよくにがりを味
ふる似たるは又このまさることなり又その
色或は黒く或は赤く或は青く異色(いしよく)
なるはよろしからず色はたゝ潔白(けつはく)水の
ごときをよしとす或は又すこし黄色
を帯(おぶ)るもよし是も亦黄色にすぎても
ろ〳〵とするほとなるはこのまさることなり
一 故に諸国の温泉ある所|一所(ひとところ)に湯壺(ゆつほ)のい
くつもある所あり土地にひとつ所なり
とてその湯に差別(しやべつ)なしとおもふべからず
湯壺(ゆつほ)と湯壺(ゆつほ)と相去ること纔(わづ)か二三間の
あいたにてその湯の性(しやう)大に相違(そうい)する
あり是そのわかす地中(ちちう)の火はおなし火
なれ共其湯となる水筋の相違或は
又|土中(どちう)にてすでに湯となりて後その