翻刻
【右】
し故/斯(かく)の如き水は善良(ぜんりやう)の飲水に非(あら)ず
天然(てんぜん)【左線】有機物(イウキブツ)を含(ふく)む水は微少(すこ)しく褐色(ちやいろ)を帯(おふ)るものなれ
ば無色(むしよく)の玻璃瓶(がらすびん)に入れて容易(たやす)く知り得(う)へし但し透明(とうめい、すきとほり)
の水と雖/屡(しば〳〵)【左線】有機物(イウキブツ)を含(ふく)むことあり斯(かく)の如き水は【左線】過滿俺(クワマンカン)
酸加里(サンカリ)と云へる者の溶液(ときしる)を少(すこ)しく加(くわ)ふれは必(かなら)ず茶褐(ちやかつ)
色(しよく)を露(あらは)す其/他(た)【左線】有機物(イウキブツ)を含(ふく)める者は必(かなら)す一/種(しゆ)の臭味(くさみ)あ
るを以(もつ)て之を辨明(べんめい)すべし
約(おほよ)そ一合の水に【左線】単寧酸(タンニーサン)の溶(と)き液(しる)四匁《割書:単寧酸一分と四|分の餾水と一分》
《割書:の酒精とに溶解せし者に|して固より透明なりとす》を注(そゝ)ぎ約(おほよ)そ五/時間(じかん)を経(へ)て濁(にご)
らざる時は其水は善良(ぜんりやう)の者たるべし然(しか)れども若(も)し其
【左】
五分時間或は一時間の中に濁(にご)れるものは健康(けんこう)上に於
て害(がい)あることは言を竢(ま)たざれ共或は二時間を経(へ)て濁(にご)れ
る者の如きも亦/飲用(いんよう)に供(けう)するに足(た)らず
此/他(た)色の清(きよ)らかなるものと又/濁(にご)りたるものとにて知
り又は臭(くさ)みと味(あじ)とにて含(ふく)む者を試(ため)す法
[第一]水/濁(にご)にて黒(くろ)き色なるものは粘土様(ねばつちやう)或は泥土状成(どろつちやう)
の其中に混在(まじ)るを想像(さうぞう)す
[第二]水/色(いろ)黄(き)及褐色(ちやいろ)を認(したゝむ)るは【左線】有機物(イウキブツ)の着(いちゝる)しき含有(がんゆう)或
は【左線】鐵(テツ)、鹽(エン)類(るい)の存在(そんざい)より起(おこ)れるものとす最(もつとも)【左線】有機物(イウキブツ)を含(ふく)め
る水は其/色(いろ)によつて證(せう)す若(も)し其/含(ふく)むこと多量(たりやう)なる時は