翻刻
【右】
必(かなら)す茶褐色(ちやいろ)を露(あらは)す其/他(た)一/種(しゆ)の臭味(しうみ)あるを以(もつ)て又/辨(べん)す
へし
[第三]不佳(ふか)の臭気(しうき)ある水は【左線】硫化水素(リウクハスイソ)[即ち【左線】硫酸石灰(リウサンセキクワイ)及【左線】硫(リウ)
酸苦土(サンクド)と腐敗(ふはい)したる【左線】有機物(イウキブツ)の産生物(さんせいぶつ
)なり]或は泥沼(でいせう)の
瓦斯(がす)[即ち【左線】有機物(イウキブツ)腐敗(ふはい)の産生物(さんせいぶつ)なり]の存在(そんざい)なり
[第四]収斂性(しうれんせい)の味(あじ)は【左線】酸化鐵(サンカテツ)と知(し)る可し
[第五]苦(にが)き味(あじ)は【左線】苦土(クド)と【左線】鹽(エン)類(るい)の (含(ふく)みたるなり
[第六]鹹味(かんみ、からき)は【左線】食鹽(しよくえん)或は【左線】鹽化加爾叟母(エンクワカルシユム)たるべし
[第七]土様(どやう)の味(あじ)は【左線】亞兒加里(アルカリ)【左線】土(ド)類(るい)【左線】重炭酸鹽(ヂウタンサンエン)類(るい)の存在(そんざい)なり
該(がい)水(すい)は飲用(いんよう)となして健康に害(がい)あることなし前(まへ)に説(と)ける
【左】
水は悉々(こと〴〵)く健康(けんこう)に害(がい)あり殊(こと)に【左線】硫化水素(リウクハスイソ)【左線】沼泥瓦斯(セウデイガス)等の存(そん)
在(ざい)せる水は決(けつ)して飲(の)むべからず
試薬を以て分析する法
此/試法(しほう)は水分(すいぶん)を半(なか)は蒸散(じやうさん、につめ)して之を濾過(ろくわ)して其/残査物(のこりもの)
と濾滴水(こししる)とに試薬(ためしぐすり)を施(ほどこ)して其/性物(せいぶつ)を減察(げんさつ、あらはし)するなり
水を蒸発(じやうはつ、わかす)するに白金皿(はくきんさら)を用(もち)ゆるを良(よし)とすれと平家(へいか)に
在(あつ)ては之に代用(たいよう)するは裏面(うちうら)に光滑(つや)ある陶硅(くすり)を全布(かけ)た
る磁碟(やきものさら)を撰(ゑら)むべし若/内面(うちうら)の糙澁(ざうなう、あらき)なる者は物質(ぶつしつ)多く皿(さらの)
内(うち)に固着(ひつつ)き又/玻璃皿(がらすさら)は固着(ひつつく)ことの害(がい)なしと雖も破れる
ことの憂(うれひ)あり