翻刻
【右】
時間/煑沸(わか)し摂氏の六十乃至五十度に冷却(れいきやく、さまし)して之に五
六方[センチメーテル]の稀(うすき)《割書:[一容量の濃硫酸と三容量|の蒸餾水よりなれるもの]》
を加へ又之に十立方[センチメーテル]の尋常定量用【左線】蓚
酸百倍の者を加へ以て注意(こゝろがけ)振盪(しんとう、ふる)し而して随(したがつ)て褪色(いろがなくなる)す
れば随て【左線】過滿俺酸加里溶液を滴加(ぼつ〳〵くわへ)し竟(つい)に不滅(なくなる)の淡紅(すゝいろ)
色を呈(てい)するに至(いた)らしむ是に於て其【左線】蓚酸液と【左線】過滿俺
酸加里溶液との立方[センチメーテル]の数の差異(ちがい)は則ち
【左線】有機物の含有たることを知る可し此一立方[センチメー
テル]の【左線】過滿俺酸加里溶液は〇、〇〇〇三一六四の純【左線】過
滿俺酸加里を含有(ふくむ)するが故に其一立方[センチメーテ
【左】
ル]は【左線】有機質の〇、〇〇一五八二を證(しよう、しようこ)する者とす
又水一[リットル]を陶皿(やきものさら)の中に取り二立方[センチメーテ
ル]中/純(ぢゆん)【左線】過滿俺酸加里一/瓦蘭膜(くらむ)を含有せる【左線】過滿俺酸加
里溶液を徐加(そろ〳〵くわへ)し遂に其水に赤色を呈して半時間を経
るも尚/褪色(いろがのく)せざるに至らしむ此【左線】過滿俺酸加里溶液の
一立方[センチメーテル]は【左線】過滿俺酸加里の〇、〇〇一を
含有するが故に果(はた)して水中所含の【左線】有機質量を[ミリグ
ランム]の数に於て見んと欲せば輙(すなは)ち該液の立方[セン
チメーテル]の数に五を乗(ぜう)ずれば之を得可し
第五章