翻刻
【右】
明治十三年七月下旬
著者織
【左】
《割書:傅染病|之豫防》飲水の心得
村上復雄 著
総論
凡(およ)そ人の體(からだ)四分の三は水より造成(なる)る者(もの)にして其(その)水は
血(ち)に混(まじ)り共(とも)に體内(たいない)を流通(めく)り各部(しよ〳〵)に滲透(しみとほり)て用(よう)をなし其(その)
不用(ふよう)なるものは汗(あせ)、尿(いばり)、水蒸気(すいじようき)となりて體外(たいぐわい)に出(い)ず其水(そのみづ)
一日に大約(おほよそ)四百八十目餘(あまり)なりとす之れによつて見(み)れ
は飲水(のみみづ)の多量(たぶん)なることは推(お)して知(し)るべし偖又(さてまた)水は只(たゞ)人(じん)
體(たい)の成分(しなもの)を造搆(つく)るのみならず総(すべて)の物質(もの)を溶解(とか)し或(あるひ)は
咽(んど)の喝(かわき)を止(と)め又(また)は粘稠(ねばり)を稀薄(うすく)し熱病(ねつびやう)に寒冷(ひやゝか)なる水を