東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 1

四季漬物塩嘉言 - 翻刻

四季漬物塩嘉言 - ページ 13

ページ: 13

翻刻

   きざみ漬(づけ) 澤(たく)庵(あん)大(だい)根(こん)の茎(くき)を干(ひ)葉(ば)にして多(おほ)くたくわへおきて 惣(さう)菜(ざい)に遣ひ汁(しる)の実(み)にすへし右の茎の中よりやはら かき若(わか)かぶをゑりおきてよく洗(あら)ひ小一寸/位(ぐらゐ)に刻(きざ)みて 大根を短(たん)冊(ざく)にうちて茎(くき)と等(とう)分(ぶん)にまぜて醤(せう)油(ゆ)樽(だる) 一(いつ)杯(ぱい)ならば塩(しほ)一升/斗(ばか)り入て能(よく)もみ手(て)比(ごろ)なる押(おし)石(いし)を かけて漬(つけ)るなり十余日/過(すぎ)てざつと洗(あら)ひ醤油をかけて 当(とう)座(ざ)喰(ぐひ)にすべしなま漬は無用なりすこしつき すぎたる方がよろし    大(おほ)阪(さか)切(きり)漬(づけ)《割書:上方にてはくもじといふ又くきともいへり|》 大(だい)根(こん)と蕪(かぶら)と等(とう)分(ぶん)に葉(は)茎(くき)ともにきざみ込(こみ)て醤(せう)油(ゆ)樽(だる) ならば塩(しほ)五合を入て能(よく)もみ合(あは)せ強(つよ)く押(おし)て漬(つけ)るなり 十余日を経(へ)てざつと洗(あら)ひかたくしぼりて香(かう)の物(もの)鉢(ばち)へ 入(いれ)置(おき)菜(さい)箸(ばし)にて自(じ)分(ぶん)の喰(くう)ほど手(て)塩(しほ)皿(ざら)へとりて別(べつ)に ちいさき片(かた)口(くち)の器(うつわ)へ醤(せう)油(ゆ)を出し置(おき)銘々(めい〳〵)にかけて喰(くう)なり 是(これ)醤(せう)油(ゆ)をかけすごしても捨(すた)らぬやうに利(り)勘(かん)なる工(く)夫(ふう) なり上(かみ)方(がた)にては専(もつぱ)らすることなり歯(は)ぎれよくいたつて 淡(たん)薄(ぱく)なる風(ふう)味(み)なり