翻刻
【右丁】
つくなり
牛蒡(ごばう)味噌漬
牛蒡(ごばう)の本末(もとすへ)を去(さり)中(なか)の所(ところ)斗(ばか)り六七寸に切(きり)是(これ)もざつと
湯(ゆ)をくゞらせ味噌(みそ)に漬(つけ)るなり是は沢庵(たくあん)大根のみそ
づけと一所に桶(おけ)の下の方に漬おくべし一年/余(よ)も経(へ)ざれば
漬(つき)かぬるものなり三年五年とふるくなる程(ほど)殊更(ことさら)よし
印篭漬(いんらうづけ)
醤瓜(まるづけ)の跡先(あとさき)を切(きり)中実(なかご)をくりぬき其中(そのなか)に歩穂蓼(ほたで)紫蘇(しそ)
の葉(は)若生姜(わかしやうが)青蕃椒(あをとうからし)等(とう)をおしいれ甘塩(あましほ)加減(かげん)にして
【左丁】
圧(おし)強(つよ)て漬(つけ)るなり六七日/立(たて)ば喰比(くひごろ)なり瓜(うり)へとうがらしの
からみ移(うつ)りて至極(しごく)よし輪切(わぎり)にしたる所/印篭(いんらう)に似(に)たる
ゆへ名(な)づくるものか又云(またいふ)胡瓜(きうり)もかくの如(ごと)くするもよし
歯切(はぎれ)ありてまるづけ瓜(うり)におとらず
渦巻漬(うづまきづけ)
胡瓜(きうり)の季(すえ)の比(ころ)とうがらしを沢山(たくさん)に入(いれ)て甘塩(あましほ)に圧(おし)をかけて
漬置(つけおき)水十分にあがりたる時(とき)二ッにはわらず立(たて)に庖丁目(はうちやうめ)を
入れて中実(なかご)をすき取(とり)一日/天日(てんぴ)にほして能(よく)さまし置(おき)
片(かた)はじよりしつかりと巻(まき)竹(たけ)の皮(かわ)をさきて解(と)けぬやうに