翻刻
【右丁】
蜜(みつ)に漬(つけ)る是(これ)も三十日すればよし右の酸味(すみ)は持(もち)
まへの酸味(すみ)なれど若(もし)酸味(すみ)薄(うす)き時は酸(す)少々(せう〳〵)入るもよし
三(み)ッ(つ)葉(ば)溜漬(たまりづけ)
みつばせりの白(しろ)き所ばかりそろへて竹(たけ)の皮(かわ)をほそく
さきてゆわひ根(ね)と葉(は)を去(さり)水気(みづけ)をとくとかわかして
味噌(みそ)の溜(たまり)をすいのうにてこして其中(そのなか)へつけるなり
二夜(にや)ばかりにて漬(つき)加減(かげん)なり
葉附(はつき)小大根(こだいこん)三杯漬(さんばいづけ)
小(こ)だいこん尤ちいさきを拵(そろ)へ茎(くき)一寸ばかり残(のこ)しおき葉(は)
【左丁】
先(さき)をきり一時(いつとき)ほど日にあてゝ直(すぐ)に三杯醋(さんはいす)に漬るなり
是(これ)を吉原(よしはら)の放言(ほうげん)には洗(あら)ひ髪(がみ)といふ
土筆(つぐし)粕漬(かすづけ)
つくしの穂(ほ)ばかりをとり能(よく)洗(あら)ひ水(みづ)を切(きり)て直(すぐ)に粕(かす)に
つける遣(つか)ふ時(とき)粕(かす)をあらひ花(はな)がつほなどかけて猪口(ちよく)に
遣ふ風味(ふうみ)至(いたつ)てよし
家多良(やたら)漬(づけ)
ひしほの塩(しほ)をからめにつくりおき瓜(うり)茄子(なすび)とうがらし
などを刻(きざ)み込(こみ)漬(つけ)るなり沢庵(たくあん)大根の味(あぢ)少(すこ)しかわり