翻刻
【右丁】
漬るなり
十六さゝげ粕漬(かすづけ)
さゝげの余(あま)りの実(み)のいりすぎぬうちにとりて生(なま)のまゝ
粕(かす)に漬るなり眉児豆(ふじまめ)などは殊更(ことさら)さやばかりの内に
漬込(つけこむ)なり上(うへ)に水出(みずいで)たらばしたみとるべし
天王寺蕪(てんわうじかぶら)
蕪(かぶ)の茎(くき)一寸/斗(ばか)り附(つけ)て甘塩(あまじほ)に押(おし)つよくかけて漬置(つけおき)
さて天気(てんき)よき日(ひ)一日かはかして味噌(みそ)にも漬粕(つけかす)にも漬
かへるなり何(いづ)れ百日/余(よ)も経(へ)ざれは漬(つき)がたし
【左丁】
梨糟漬(なしかすづけ)
あはゆきの無疵(むきず)なるをゑらび梨(なし)と梨(なし)とあたり合(あは)ぬ
やうに粕(かす)沢山(たくさん)にして漬るなり
柿粕漬(かきかすづけ)
はちやといへる細長(ほそなが)き柿(かき)の青(あを)きうちにとりて粕(かす)に
つけるなり自然(しぜん)と渋(しぶ)ぬけて甘(あま)からず甚(はなはだ)よき風味(ふうみ)
なり会席(くわいせき)の香(かう)の物(もの)に附合(つけあは)す
柚青漬(ゆあをづけ)
柚(ゆず)の実(み)のいらざる青(あを)きうちにとりてかんてんをながして