翻刻
おふひにふるひ町家(てうか)のこらずやけうせる見附(みつけ)宿は大半(たいはん)ゆりく
ずれ中泉(なかいづみ)へんまで往来(わうらゐ)横立(よこたて)にわれるなり濱松(はままつ)は井上(ゐのふへ)河内守(かわちのかみ)
様御城下大半ゆりくずれ舞阪(まいざか)少々ゆれ荒井(あらゐ)宿は大にゆり其上(そのうへ)
御|関所(せきしょ)つなみにて引込(ひきこま)るゝ白須賀(しらすか)も五分通りつぶれ《箱:三河》二タ川
も同断なり吉田(よしだ)は松平|伊豆守(いづのかみ)様御城下五分通りゆりくづれる
御城内(ごじょうない)も同断(どうたん)にしてつなみにて町家(てうか)多くそんじ五油宿(ごゆしゅく)も三分
通りゆりつぶれる赤坂(あかさか)藤川(ふぢかは)も同断なり岡崎(おかざき)は本多(ほんだ)中務大輔
様|御城下(ごじやうか)こと〴〵くふるひ矢(や)はぎの橋東(はしひがし)にて一ヶ所(しょ)西(にし)にて一ヶ所お
ちかゝる橋台石(はしだいいし)がきぬけ出(いだ)し平常(へいぜい)は清水(せいすい)のところ泥水(どろみづ)となり
諸々大地われ泥水(どろみづ)を吹出(ふきいだ)す地鯉(ちり)う【池鯉鮒宿】も三分通りふるひつぶれ
《箱:尾張》なるみ宿も同断なり宮(みや)は地(ち)しんの上大つなみにて諸々
損亡(そんぼう)《箱:伊勢》桑【桒】名(くわな)松平|越中守(えつちうのかみ)様|御城下(ごしやうか)地(じ)しんの上大つなみ荒(あら)まし
つぶれ四日市は人家多くたをれ土蔵(とざう)二三十つぶれ夫(それ)よりさき
大津宿迠はいつれも少々つゝふるふまた伊勢路は白子(しらこ)神戸(かんと)松坂(まつざか)
山田のわき道(みち)は人家ふるひつぶれ海辺(かいへん)は大つなみにて諸々|損亡(そんぼう)
大かたならず《箱:山城》京都は少々ふるひたれども格別(かくべつ)の事なし
○《箱:摂津》大坂表は同月同日五ッ半時より大|地(ぢ)しんゆりいだし市中(しちう)の
人々 東西南北(とうざいなんぼく) にはせまろび人家(じんか)多くくずれまたはゆがみつぶるゝ
事おびたゞしく守(みや)寺(てら)神社(じんじや)をふるひくずしそのそうどふいわんかた
なし其日(そのひ)は夕(ゆふ)がたにすこししづまれとも翌(よく)五日明七ッ時また〳〵
大地しん半時ばかりゆり其上(そのうへ)何方ともなく大(おほ)ひになる事百
千のいかづちの如(こと)し またくれ六ツ時大ひにゆりいだし六ッ半ごろ