翻刻
【右丁】
じんして候へはおほせあはせられ候はてと申給
へはちゝ大しん殿さしむかひてわれやすくして
侍るそわれいきたらんほとはけうくんにつき給へ
ふみかきてやり給へとありけれはめのとさしより
て御おやなれはあしき御はからひ候はしあそはせ
かしと申せは中将殿にくけににらみてさしさしいて
たるよしはしたなふいはれてびやうぶのかけへそ
しのひけるきたのかたすゝりかみをとりむかへて
これかきてやり給へとしけにの給へはのかれかた
くおほしてふてにまかせかき給ひうちおきてつい
たち給ふ御めのととりてひきむすひめのとこの六ゐ
【左丁】
のしんにもたせて大将のもとへつかはしぬ中将殿は父
の御まへたちもやのみすのもとにてなき給ふいくほ
ともなくしてゆめにみたる心ちしてわか御かたへかへり
給ひぬひめきみによりそひて出つる時はなにとも
なく候はぬむねのいたく候をさへてたひ候へとありけ
れはひめきみおとろき給ふ事かきりなし中将殿
なき給へはひめきみもともになき給ふ中将殿な
みたをおさへてしやうしむしやうのならひはいまに
はしめぬ事なれはもしこのむね大じにていかな
る事も候はんにおほしめし出させ給候はんやとおほ
せありけれはひめきみなみたをおさへの給ふやう