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コレクション: 養蚕の書

蚕養由来 - 翻刻

蚕養由来 - ページ 6

ページ: 6

翻刻

奉れは御よろこひはかきりなし其後は別に宮を作てすへ置 給ひき后なをにくき事におほしめし其後は遠き島へはな されをはんぬかの嶋は海眼(かいかん)山とて地よりばつくんへたたつて遠 き嶋也舟路三日はかり有也此嶋には木竹草 苔(こけ)のたくひなしかし けたるいはほのみ有かゝる所に月日を送らせ給て久しくすませ 給ふあるときつりの小舩風にはなされかのしまによつて有ける か此姫君を見奉ていたはしく思ひ奉りわか舟にのせ申本国 へ帰り内裏(たいり)にうつし奉る其後は公卿(くきやう)大臣日番を盛(さかん)にして まもり申されけれはつゝがなくおはしますかくておとなしくな らせ給ふほとに他(た)国の王へとう宮の后(きさき)にたゝせ給ふへき其 聞(きこへ) 有ゆゝしかりける事共也御 門(かと)よりの御 政道(せいとう)つよくおはせは姫君 を人いるかせに申事もましまさす有時大王御遊山のために遠 き国へ御 幸(ゆき)ならせ給ふ事也 幸還(こうくわん)十日はかりの御逗留くたんの后 此御留守をうれしき事におほしめして六位といふ者をめし よせ金百両とらせての給はく汝等(なんじら)をふかく頼(たの)むそあの清冷(せいりやう) 殿(てん)の小 庭(にわ)を七尺ほつて得させよとあり六位はかしこまつて ちよくでうをかうむり庭の中をほる間にそくじに七尺の穴 をほりたてたり又后の仰には汝等(なんじら)春宮(とうくう)の金(こん)色姫をからめ 此穴へ入よとの給ふ六位もかなしき事に思へ共 勅(ちよく)のおもしと 申金銀のさす所なれはちからをよはすあやなくひめきみ をいけとり此穴へつきうつめをのれらは皆ちり〳〵になりて 世を捨て山に入すみの袖に身をなしかの御ほたひをとふらひ 奉る也后の宮は世に思ふ事なくうれしくおほしめされけり かくて十日ばかりして大王は他国より還御(くわんきよ)ならせ給ふ帝の