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コレクション: 養蚕の書

蚕養由来 - 翻刻

蚕養由来 - ページ 7

ページ: 7

翻刻

仰に姫はと御尋あり諸人しり奉らぬよし申す又やとおほし めしていそき春(とう)宮へ御入なされ給ひゑいらんあれはいつよりか ほはしまささるらん神さひて人もなしちかき方様の女房 采(うね) 女へ御尋あれ共たれも知たる申者なし大王はかさねての御な けきの御 涙(なみた)千行(せうこう)也やう〳〵日かつも百日はかりにならせ給ひける 時余の御かなしさに大王は清 冷殿(りやうてん)へ光儀あつて花その山を御 詠(なかめ)ありて一かたならぬ御思ひに御 泪(なみた)にむせはせふししづみ給 うちしほれてそおはしける公卿大臣もかんるいをもよふし 誰(たれ)も云事もなくさんこをしづめて居給ふ所にせいりやう でんの御花そのゝ小庭ににはかに北より光さして殿の内をて らす事 御(み)門あやしくおほしめして急(いそき)はかせをめされ□ るゝはかせ申けるは此地の下にいかさま人有仏の影向(やうこう)有所か また鬼(き)神 魔(ま)王の位か地より七尺 底(そこ) に化たる物有べし とうらなひ出す公卿大臣其外なみ居たる人々一度に 坐しきをさつと立かの小庭におとりをりわれも〳〵と 土をほり給へは六位 雑(はう) 人【ルビはさうにんの誤りか】も土をのくる事なゝめならす やう〳〵六尺はかりほりいたし見奉れは帝の御てうあい たる金色(こんちよく)姫宮渡らせ給ふ急(いそき)守(もり)奉れて大王の御目に かけ奉れは御よろこひはかきりなし姫宮にとりつき給ひ て悦(よろこひ)の御 涙(なみた)又せきあへ給はす帝の仰には是しかしな からけい母のわさなるへし此国にをひて毎度うきめを見 せんよりはいかなる国へもつかはしすてゝ此国になしと思はゝ 中〳〵思ひたへてよかるへしとて宦人に仰付られ桑(くわ)の木を もつてうつほ舩を作り海辺に大王と姫君 行幸(きやうこう)なつてかの