翻刻
是を彼 ̄ニ転 ̄シ止 ̄ル事ハ更 ̄ニ難カルヘシ爰 ̄ニ
御国島根なる七類の浦人権市 ̄ト云ヘル者あり
船乗 ̄ヲ活業トシ諸国津々浦々ハ云モ更也
筑紫はてなきしらぬ火の浮 ̄つ沈 ̄みつ終夜(ヲモスカラ)
眠ル間モ無キ浪枕か勢子ならぬ 蜘蛛(サヽカニ)
のいとも浮雲(アフナキ)世渡也けり時に四とせの前
戌冬《割書:嘉永三|》陸奥の沖とり難風 ̄ニ逢ひ
長く波上 ̄ニ漂流し終 ̄ニ唐国へ流れからき
命をなからひ彼国 ̄ニ年月を経ル事既にして
三トせ今度肥州長崎迄送返され公(ヲヽヤケ)の深キ
御恵 ̄ミヲ頂キ今年癸丑秋八月又長崎より
御国 御城府迄 送迎(ソウケイ) ̄ニ預りし御恩