翻刻
かめとくらげがけんくわにて
二かいは大さはぎになり
一つ内でまはしかたに
いしふしができては
わるひと
ないしよから
口をそろへてとかく
ふたりのきやくへふ
たりひづみの
ないやうに
一 ̄ト ばんかはりに
ざしきを
わたしこよひ
ざしきにねた
きやくはあすの
ばんはめうだいと
きはまりそう
ほういひぶんなく
まるくおさまり
まづさるは
あとからのなじみ
ゆへこよひはめう
たいのつもりにして
だれさん出
なんしかれさん
出なんしと
いへどもしんぞつこども
さるのめうだいには
いやがりとう〳〵くじ
どりにしたところが
ことし廿八になるいせ
ゑびといふしんぞう
じくにあたり
ふせう〳〵【不承不承】ぴん〳〵と
すねてめうだいに
でるこのいせ
ゑびはこしの
まがるまで
しんぞうで
ゐるけいせい
なれば大ばゞ
れんの【大婆連の】
くちごは
ものにて【口強者にて】
何をいつても
びんぼうと
はねつけその
ばんはたばこの火にまで
事をかゝせとんだ
なんぎなめに
あはせる
〽あのしんはめつたむせうにはねつけ
るそしてやたらゑひのみそを上る
がゑびのひげなでといふつらでも
ねへ大かたけびぞうにゆくだろう
【げびぞう(下卑蔵):下品だということ。下卑に蔵をつけて人名のようにする洒落】
【猿の台詞】
〽さて
〳〵
火が
ねへ
みの
うへ
に
なつ
た
〽おまへゑび
のしやうて【性で?】
はね【跳ね?】さん才?
がさい〳〵
ではない
たつた一度
たばこの
火はどう
だろう
【伊勢海老の台詞】
〽よして
くん
なんし
火を
もつて
くるとが
はしい
せん
ひやうぶ
トゑはしば
ゑび【芝海老】さんの
きやく人とわりゑびで
おつすホンニうきよは
くるまゑび【車海老】だよなせ
こんなめうだいに
でたろうのう
【まわしかた:遊里で遊女の送り迎えなどをする者】
【いしふし:不詳。いざこざのことか。】