翻刻
間二
《割書:大地震大津波|東海道間ノ宿》末代噺種
○岩渕(いわぶち)大損(おほそん)じ上より段々(だん〳〵)家落(いへをち)
かさなり富士(ふじ)川迄ころび落る
出火もあり死人(しにん)多分(たぶん)あり
○新坂(にいさか)仲郷(なかごう)の間四五尺程づゝ
大地(だいぢ)十文字に破(われ)る六七尺づゝ
段になる○興津(をきつ)江尻(えじり)の間の宿(しゆく)
横須賀(よこすか)半潰(はんつぶ)れ○江尻(えしり)府中(ふちう)の
間の宿清水 湊(みなと)丸潰(まるつぶ)れ丸 焼(やけ)大津波(おほつなみ)にて海へ引こむ
○府中(ふちう)鞠子(まりこ)の間の宿 安部(あべ)川大 地震(ぢしん)にて泥水(どろみづ)夥(おびたゝ)
しく吹出る○藤枝(ふぢえだ)嶋田の間橋々のこらずをちる
○大井川 八軒家(はちけんや)河原町 辺(へん)往来(わうらい)破(わ)れ泥水吹出し
川の如く流る○金谷(かなや)日坂(につさか)の間 佐夜(さよ)の中山夜なき石
すべて大地(だいち)破(われ)る○日坂(につさか)掛(かけ)川の間山ヶ 鼻(はな)大崩れ羽黒(はぐろ)
橋落る○袋井(ふくろい)見付の間三ヶ野往来割る○見付 浜(はま)
松の間 中泉(なかいづみ)長森(ながもり)池田辺大崩 天龍川(てんりうがは)土手(どて)通(どふり)惣潰(そうつぶ)れ
右に洩(もれ)たる所は格別の事なし