翻刻
【右丁】
てまつらんこともてんのとかめおそろし身
の後の世もいかゝせんさりなからこれは御て
うあいのわかきみなれはすこしは御いかり
もあさからんかとのちのわさはいをもわす
れてたうさのおほせのかたしけなけれは
なみたををさへてすゝりをはもとのことく
したゝめて大なこん殿の御かへりをまつほ
とはちゝに物をそおもひけるそのこゝろの
あやうきことはたゝしんえんにのそんてはく
ひようをふむ【注】にことならすさるほとに
【左丁】
大なこんはみかとの御まへにちもく【ぢもく(除目)】のことに
よりて一の人の御子に大なこんあきたかの卿
とさうろんのこといかめしくなりてすてに
こといてくへきありさまに見え給ふときの
くはんはくにておはしますひてふさのこう
このひやうきこと大義なり当座にすむへき
にあらす後日のさたしかるへしとて座
をたゝせ給へはをの〳〵かへらせ給ひけるかしる
ことによりて御きしよくよからすしてかへ
り給ふしかれはみうちの人〳〵いつにかはり
【注 深淵に臨んで薄氷を踏むがごとし=危険な立場にあることのたとえ】