翻刻
【右丁】
つれの神ほとけをたのみ奉るへきそやされ
はことよはつせのくはんおんはいこく国まて
も聞えさせ給ひたるれいけんなれはよも
わか國のしゆしやう【衆生】のねかひはすてさせ給は
しいさらせ給へはつせへまいりていのりたて
まつらんとの給へは吉日をえらひて大なこん
殿ふうふ御こしにめしさうしき【ぞうしき(雑色)。「ざっしき」ともいう。雑務に従事する下級の官人】御すいしん【御随身】
めしつれはつせにまうて給ひふつせんに
むかひて三十三とのらいはいを奉りそも〳〵
たうしの御なそんはわか家のなうそ【曩祖(のうそ)=祖先】春
【左丁】
日大明神てんたい大しと御こゝろをあはせ
て十一めんの御そうをさなくましましまつ
せ【末世】濁あく【注】の衆生をさいとおはしましり
しやうちうへんをめくらしみらいはふたらく
せん【補陀落山=観音の浄土】のしやう公にいんたう【引導】し給へとふかく
きせい【祈誓】をこらし給ひけるとかやその御願い
かてむなしかるんしかれはわれらに
一人のそ【先に書いた文字の上に「そ」を書く】うしをあたへさせ給ひなうそ
の家をつかしめたまへとかんたんくたき【肝胆砕き…精根をつくす】
いのらせ給ひけるすてに一ち日にまんする
【注 じょくあく(濁悪)=人心がけがれ、悪が満ち満ちていること。】