翻刻
【右頁】
に在(ある)故(ゆ )【「へ」の消滅?】倒(たふ)れる叓(こと)なし然(しか)れども[二圖]の俸(ばう)【棒】は
重力(ちようりよく)の線(すぢ)其(その)体(たい)の基礎(どだい)の外(そと)に落るゆへ其(その)体(たい)
必(かなら)ず倒(たふ)る夫(それ)ゆへ只(ただ)歩行(ある)く人は真直(まつすぐ)に立(たつ)な
れども片手(かたて)に重荷(おもに)を持(も)てば身体(からだ)の重力(ちようりよく)の
線(すぢ)は足(あし)の外(そと)に落(おち)て身体(からだ)は倒(たふ)れんとする故(ゆへ)
必(かなら)ず明手(あきて)を差出(さしいだ)し身体を傾(かたむ)けて重力(ちようりよく)の線(すぢ)
を足(あし)のうちに落(おつ)る様子(ようす)故に倒れる叓(こと)なし
綱渡(つなわたり)をするも度(たび)〻(〳〵)の馴(なれ)にて身体の重力(ちようりよく)其(その)
【左頁】
【綱渡の図】
綱(つな)の外にはづれ
ぬやうにする迄(まで)
の叓(こと)にて別(べつ)に法(ほう)
のあるにあらず
子供(ことも)の獨(ひと)り立(たち)し
て歩行(あるか)んとすれ
ども倒(たふ)るゝは其(その)中(ちう)
心(しん)を取(と)るに馴(なれ)ざ