翻刻
営せんと欲(ほつ)し其 冬(ふゆ)駕(か)を進(すゝ)めて亜 細亜(じや)の北 部(ぶ)北
高海に抵(いた)る此地は厄勒祭亜(ぎりしや)人の当時 未(いま)だ知(し)ら
ざる地なり帝(てい)名を好(こ[の])み地を拓(ひら)く心 是(こゝ)に至て尚
未だ乂(おさ)まらず故に「スセイテレ」《割書:国|名》は蛮夷(ばんい)にして
礼義を知らざる邦(くに)なれとも又之を征討(せいたう)して其
君を朝(てう)せしむ已(すで)にして駕(か)を「バクトリアナ」《割書:国|名》に
返(かへ)り又明年又近国の未だ服(ふく)せざる者を征(せい)し「ソ
グディアナ」全国を従(したが)へ「ヲキシイアルテス」《割書:人|名》が一
族(ぞく)の帝(てい)に抗拒(こうきよ)する者を捕(とら)ふ又其女「ロキサネ」を
娶(めと)る勝(すく)れたる美(び)人なり是に於(おい)て其父「ヲキシイ