翻刻
畔(はん)に迎(むか)へ戦(たゝか)ふて大(おほひ)に之(これ)を敗(やぶ)り金帛(きんはく)軽重(けいちう)を得(う)る
こと夥(おびたゝ)し其(その)親族(しんぞく)を生捦(いけどり)す帝(てい)之(これ)を待(ま)つ礼(れい)あり又(また)
達馬斯谷(だますきゆす)を囲(かこ)む是(こ)れ百爾西亜王(へるしやわう)の宝庫(ほうこ)の在(あ)る
所(ところ)なり乃(すなは)地中海(ちちうかい)の諸府(しよふ)を按撫(あんぶ)し凱歌(かいか)を唱(となへ)て
「ハレス」を発(はつ)し阨日多(えしつと)を取(と)る初(はじ)め阨日多(えしつと)久(ひさ)しく
百爾西亜(へ[る]しや)の虐政(かこい)にくるし困(くる)しむを以(もつ)て乃(すなは)ち其(その)残暴(ざんぼう)を
除(のぞ)き善政(せんぜい)を行(おこな)ふ又(また)其(その)民心(みんしん)を得(え)んと欲(ほつ)し其(その)故礼(これい)
法教(ほうきやう)を復(ふく)す遂(つい)に「アレキサンドリー」《割書:地|名》に到(いた)り初(はじめ)
て帝都(ていと)の基礎(もとい)を建(た)つ此(これ)より以来(このかた)此地(このち)巍然(きぜん)とし
て古帝都(こていと)の一となると云(いふ)帝(てい)已(すで)に数々(しば〳〵)達柳氏(だりうす)が