翻刻
まじりのやぶとかけて
とりあつめたきものととく
心は木竹そろはぬ
【木や竹が入り混じって生えている・着丈が揃わない】
のらくらぼうづとかけて
おうしのうぐいすととく
心はほけきようもてきぬ
【おうしのうぐいす : 王子の鶯ヵ。名所の鶯谷の鶯のようにうまく鳴けないということか?】
【おうしのうぐいす : 唖の鶯ヵ。日本国語大辞典では「おうし」は「おし(唖)」に同じとあり】
七ふくじんのすごろくとかけて
こんれいのばんととく
心はめでたくします
おしのかるいかうのものとかけて
しめつたほくちととく
心はめつたにつかぬ
【かうのもの : 香の物・つけもの】
【ほくち : 火口・火打石などで起こした火を移す燃えやすい素材】
ふじのうしろとかけて
おびのむすびめととく
心はかひのくち
【甲斐の国の入り口・貝の口結び】
あづまのもりとかけて
太平記の南てうととく
心はくすの木がしんぼく
【あづまのもり : 吾嬬の森、同地の吾嬬権現社に日本武尊が地面にさした箸が成長したと伝わるクスノキが存在する、江戸名所図会の「吾嬬森・吾嬬権現・連理樟」にも記載あり】
【太平記の南てう : 南朝に仕えた臣僕の楠木正成】
やぶれたかざだまとかけて
さみだれととく
なか〳〵あがらぬ
【かざだま : 風船ヵ】
せかれたきやくとかけて
四月の一足とびととく
あはせない
【せかれたきやく : 遊女と会うことを禁止された客ヵ】
【四月の一足飛び : 四月があっという間に過ぎて暑くなり袷を着る間がなかった意味ヵ】