翻刻
【右ページ】
徳わかやの
万左衛門は一子
万作がきしつやはらぎ【気質和らぎ】
女好になりしを
よろこひけるが
日ましに放埓【?】に
なりのちは
両しんももて
あまし□への
□□□□□
□□□
□
なんぎ【?】
と成
ければ
きうに【急に?】
あんけら
をま
ねき
もとの
通りに
して
下されとたのむ
【中ほどから左端へ、あんけら坊のせりふ】
いさい
せうちいたしたなれと
今度はこんけらと両人
ていのらねはまいらぬ
御はつをはまへの通
千両
こん
とは
まへ金で
ごさる
【下方】
そのきは何ほど
でもくるしうござら
ぬ
どうそ
一日も
はやく
もとのものに
してほしう
こさる
【左ページ】
あんけらこんけら
両僧ばくたいのきとう料を
むさほりしかともよく【欲】にはいたゞき
なく今度はまへ金にて御初穂と名付 て大金をとり又れいの
ごとくだんをかさり【例のごとく壇を飾り】やんして明王【止而明王】をいのり けるにふしきやたちまち
白雲まひさがり雲中よりめうわうあらわれ給ひなんちら
いかほとにいのりても今度のねかひはいつ かうかなわぬそ【今度の願いはいっこうかなわぬぞ】
まへにもいひきかせしごとく人のせいは天ゟうけたる所にて
神力仏力のおよふものにあらすしかれともなんちらかへそを
かいてなげくに【べそをかいて嘆くに】より無理無たいなくめんを してよたれ 薬【業?】
同前の■うくみをもつて一旦ことすみたればもはやかなわぬ
此うへはなんぢら両人がたましゐを半分つゝにとりわけ万作が
たましゐと入かへそのかわりに万作がたましゐを半分つゝそのほう
どもへさつける【授ける】なりとの給ふこゑともともに一ツのしんくわ【心火 or 神火】とび
きたり二つにわかれりやうそうかふところへ入とひとしく二人の
しんくわ半分つゝぬけいでかまくらさしてひきやう【ひぎょう=飛行】しける