翻刻!草双紙の世界

コレクション: NDL鳥居清長

止而道致虚録 3巻 - 翻刻

止而道致虚録 3巻 - ページ 3

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【一丁裏】 此頃鎌倉の はんしやうおひたゝしき なかにも鎌倉のまん 中日本橋のにきわひ あしたより夕部【夕べ】にいたりさかな 市の人くんしゆまことに土一升 金壱升【土一升金一升=土地の値段が高い事】といひならは せしことく大商人のきを ならへしなかにも徳わかや【後のページに「とく若や」とある】 万左衛門とて大金 もちの 人あり 北条和田畠山【鎌倉幕府の有力家人の名前が元ネタかと】の 三家へ出入御勝て 向【ご勝手向き】の御用をうけ給り 此外御流向【不用品払い下げのことか?】には かち原大江佐々木【これも梶原大江佐々木で鎌倉の家人の名前かと】 とうへも立入御用金 とゝこほりなくさし 出しけれは諸家より 御ふち【扶持】御ちふくまん〳〵と【満々と=たくさん】 てうたいし【頂戴し】御殿つきの 小そて上下て ひけらかし けるゆへしかつ へらしくそ みへけるしかる に一子万作 今年廿【二十】才 【二丁表】 にて御出入やしき の殿様へすみ じんひん【人品】こつがら【骨柄】 いひふんなくむすこ 一ひきとみへけるが いかなることにや せう とく【生得=生来】女きらいにて 女のてより物とらす【女の手より物とらず】 小袖さへ女のしたてたは むさいとてきらひ 百 人しゆ【百人一首】をよむにも 小町清少納言いづみ 式部とうの歌はよまず よつほどへんちき成 ̄ル うまれつきなり これ〳〵も?うさく□□【らう?】 とかくきかう【貴公】をおたのみ 申からせがれへおとかめ なされてそうおうな【相応な】 ゑんだん御とりもち たのみそんする【頼み存ずる】 これはもうさくさまの御 すゝめでなければ中〳〵 あのこか かてんいたす まい はてきにさへ 入ましたらかるいものゝ むすめてゝもすこし もくるしからぬことさ【軽い者の娘でも少しも苦しからぬ事さ】 【画面右下 剃髪の男「もうさく」の台詞】 此きは【この儀は】 この もう さくか いあん のほかの ちを めくらし さいか しかう ろ?へんを もつてり かいをとつ ば【とっば=取れば?】かたやにおい て石山金太夫 にもせよ御 とく しん【御得心=ご納得】あらん こと かゞみ【鏡】 にかけてみる かことし これさ〳〵【ここより息子の台詞】 もうさく様 【左頁下】 めつたな ことをおふせ られますな 此 ぎはか りは おうけ はいた し ませ ぬそ ひつ きやう【畢竟:つまり】 つまを めとるは子そんそう ぞくのためなれば おそからぬことすて に大せい人こうしの【大聖人孔子の】 御ちゝしゆりやう ごす【=叔梁紇】は六十ゆう よにして【六十有余にして】かんし【顔氏】 をめとりかうし【孔子】 をうむとござ ればせつしやなぞ はまた四十年も はやうごさる