翻刻
右図の如く二重三重の石は合 ̄セ目分|銅形(ドウナリ)に穿(ウガ)ち其
穴江|鉛(ナマリ)を溶して差込|冷固(レイコ)【左ルビ:ヒヤシカタム】せしむべし其外の石垣も
皆此法を参考(サンカウ)して堅固ならしむべし石燈籠石の
鳥居等も臺石(ダイセキ)に切込鉛にて固むる時は如何なる
大地震にても決して倒(タホ)るゝ患なし
〇地形築礎(ヂギヤウチクソ)の致し方は其処土性の剛柔(ガウヂウ)により
各〻一様ならず故に其処の土性其処の仕来に随て
堅固にすべし尤其内土性|至柔(しぢう)の地にて深 ̄サ四五尺
も堀立捨土臺(ホリタテステド□□)を投入(トウニウ)し其上に角石(カクセキ)を建(タテ)大木を以て
大勢にて数日|搗固(ツキカタ)め抔(ナド)して莫大(バクダイ)の手数費(テカズツイエ)のかゝる
いごみ等の場所を手軽(テカル)く築礎(チクソ)するには地形を二三
尺|堀穿(ホリウガ)ち其中江石の切屑(キリクヅ)と油石灰(シツクイ)の糟(カス)を交(マジ)え□
投入し太(フト) ̄サ一握程(ヒトニギリホド)の丸太様(マルタヤウ)の物にて気長(キナガ)に搗固(ツキカタ)
め猶少し宛(ヅヽ)投入しては搗固め数遍(スヘン)する時は至て
手軽く物入費なく其堅固なる事年を積(ツム)に随て
石の井桁(イゲタ)の如く一箇(ひとつ)にかたまり大磐石(タイバンジヤク)の如く成(ナル)