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的前(テキゼン)【左ルビ:マトマヘ】に立(タチ)|巖牆(ガンシヤウ)【「巖牆」の左ルビ:クツレカヽルヘイ】の下(モト)に臥(フ)すが如し将又(ハタマタ)日〻月〻に
不時(フジ)の小地震にも其|劇易(ゲキイ)の程合(ホドアヒ)も知れざれは微(ビ)
細(サイ)の振動(シンドウ)にも驚惧(キョウク)【左ルビ:オドロキヲヂル】して平常安心(ヘイジヨウアンシン)なるべからず予|是(コヽ)
に於(オイ)て地震|劇風(ゲキフウ)【左ルビ:アラシ】の大災を予防(ヨバウ)するの手段(シユダン)を工夫(クフウ)
して諸人と惧(トモ)に洪福(カウフク)【左ルビ:サイワヒ】を同(オナジフ)せんと欲す然れども繁(ハン)
工大費(コウタイヒ)の仕法(シホウ)にては或は力の及ばざるもあら無故に
予が如(ゴト)き極貧(ゴクヒン)の者(モノ)にも力を致し易(ヤス)く予が年来
実験(ジツケン)する処にして用費至軽(ヨウヒシーケイ)【「用費至軽」の左ルビ:モノイリカルク】堅固(ケンゴ)なる事|磐石(バンジヤク)の如
き要法(エウホウ)を図解(ヅカイ)にして防火策の後(ノチ)に付録(フロク)し以て世
に播(ハン)【左ルビ:ホドコス】す覧者(ミルモノ)宜しく熟考(ジユクカウ)すべしと云(イフ)
〇家作并に土蔵|建地(タテヂ)を格外堅固(カクグハイケンゴ)になさんと欲し小
家に大材を用ひ或はほぞ貫(ヌキ)等のさし口厳重に
製造(セイゾウ)せんとするに諸材|工料莫大(クレウバクダイ)にして自力(ジリキ)に不(ザル)_レ及(ヲヨバ)
人も多かるべし又|大柱良材(タイチウリヤウザイ)【左ルビ:オホハシラヨキキ】を撰(エラ)び用ゆるとも中に
は職人に於て堅固に製作する事を心得ざるもの
もあらむ然る時は無益(ムエキ)の物入を費(ツイヤ)しのみ故に