翻刻
【右丁】
かり其上 繭(まゆ)になりても揃はぬものと知へし
附撫たる翌日早朝より暮迄に桑の真葉に限(かき)らす柔(やわらか)なる
葉を細に剉(きり)たゝき三度かけるを定法といへともむらなく四
五度ツヽも薄く掛たるは殊によろし《割書:但一日の内に厚く三度掛たるより|は薄く四五度掛たるは其益多し》
一右蚕蠢はしめより三日め昼の九ツ頃壱枚を別のわらた三枚に取分
へしわらたは段々に心懸干乾し養蚕棚へ揚置用ゆる時 艾(よもき)にて
ぬくひ籾糠(もみぬか)をむらなく敷蚕を羽本にて少ツヽ取分 糠(ぬか)の上へ直(ぢき)に
並べ移(うつ)しその上へ桑をむらなくかけへし夫より四五度ツヽ桑
をかけれは四五日めにはよどむへし其頃は前々ゟ桑薄く度々
かけ蚕半分ほとも起たらば一円桑をかけへからす是を桑留《見せ消ち:■|》
【左丁】
と云如是桑留して今昼の八ツ頃より翌日の八ツ頃迄も留置は起
揃もの也若起そろへかねたらは其翌朝迄も桑留すへし《割書:縦一両日|桑を用》
《割書:すしても蚕に障|なきものなり》起揃たらば力(ちから)桑とて壱分四方くらいにきりたる
桑をむらなく薄くかけ夫より間もなく大体にかけ三度めには
厚くかけへし
附初て蠢(むへる)蚕(かいこ)をけこと云壱起めをしゝこと云二度起を
たかこと云三度起をふなこと云四度起を庭こと云おき
よとみ四度ある内庭起か大切なるもの也乍_レ去取扱やうにて蚕
そろへは障なし一よとみの内日数九日ツヽを定法とす桑を
おり〳〵かけ冷(ひや)さぬ様に手置すれは右日限よりはかとるこ