産業史料を翻刻!

コレクション: 養蚕の書

民家蚕桑記/巻二 - 翻刻

民家蚕桑記/巻二 - ページ 9

ページ: 9

翻刻

【右丁】     支(つかい)成ことなれは本文のことく《見せ消ち:ひやし|むやし》たるには劣(おと)れりすべて   蚕室(こかいや)へ出入(いていり)する男女 身持(みもち)清浄(せうぢやう)なる事を専一とす扨蚕種   四枚以上も置に一日に蠢しては末(すへ)に至りて手に合兼るもの也   そのせつは種二枚ほとも四月の中十日も前に撫(なて)残は六七日も   間とりて蠢る様に手くりすべし 一蚕蠢初る二三日前に新きわらた六七枚も干べし《割書:但し蚕の多|少に従ふべし》  始終共に急に干天日の気あるは悪し前かとにほしさまし置  べし外に籾糠(もみぬか)を干ふるひ奇麗(きれい)にして蚕室へ入置べし蚕  を撫入ル節わらたを艾(よもき)にてぬくい《割書:是はわらたのふ浄を清めん為なり|葉も茎も用ゆ始終ともに用て宜し》  さて糠(ぬか)を余(あま)り厚(あづ)からぬ様にふり四枚 継(つき)の紙を敷右むへ蚕を 【左丁】  紙へ移したるへ桑の真葉を細(こまか)にきり一面にかけ鳥の羽にてよ  せ静(しつか)にかきあわせ羽の本二本にて痛ぬやうに取扱(とりあつかい)わらだの  敷紙へ蠢蚕桑ともに壱に【匁の誤ヵ】程ツヽ扶疎(まはら)に移(うつ)し置べし扨右のことく  分終(わけおはり)て後(のち)桑をむらなくふりかけ高棚へ揚置べし惣して  棚は上ほと暖なるものと知へし種壱枚をわらた指渡二尺五  寸位三枚にて撫蚕をわらた一面に入へし何も初は紙を敷取  扱べし指渡し右より少(ちいさき)わらたならは四五枚にもすへし厚く  置ては甚悪し生立(そたち)もはかとらぬもの也前にも云ことく撫込  にすれは蚕揃はすしてあしきものゆへ一日毎に一二三と次第  を付置へしすへて初に念を入ぬものは末に至りて手段か