翻刻
たれたり” 舟のうちににしきをしきぢんたん【沈檀】をまし
へ【交え】” くわうようらんけい【光耀蘭閨】みかきたて” 玉のはた【幡】をは
風になひきこかねのかはらは日にひかりぐせい【弘誓】の舟
ともいつつへし?” はつひ【半臂のこと】天くわん【冠】玉をたれ”身を
かさつたるによくわん【女官】しによ【侍女】” 三ひやく人すくつて”
是はせんちうの御かいしやく【介錯】のためにとて” かさり舟
にそのせられたりけるしゝいきよりももろこしま
て” すせん【数千】はんり【万里】のかいしやうの” 御なくさめのそのため
に” をんかのまひあるへしとて” ちこ百人すくって”
身をかさつてそのせられたる” すてにふ月の
すへつかたどもつなとひておしいたす” あまのか
はせ【注①】にあらねともつまこし舟【注②】のほをあけたり”
【注① 天の川瀬=天の川の川瀬。牽牛がここにさおさして織女のもとに渡るという。】
【注② 妻越舟=妻迎え舟に同じ。妻を迎えに行く舟。】