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はかり申” 万こ此よし見るよりもいかさまにも御身は
天まはしゆん【天魔波旬】のけけん【化現】にて” しやうけ【注①】をなさんその
ためな” あやしやいかにといひけれは” 《割書:いろ| 》何と物をはいは
すしてたゝなみたくみたる計なり” 万こかさね
て申けるはいや” 何とたるませ【注②】給ふとも” せひにつけ
ておほつかなし”【注③】たゝかいていにしつめみくつにせよ
といさみをなせは” あらけなき【注④】つはもの御手に
すかつてうみへ入れんとす”《割書:くとき| 》りうによ【龍女】はいとゝあ
こかれてあらうらめしの人のことはや” のにふし山を
いゑとする” こらう【注⑤】やかん【注⑥】のたくひたにもなさけは
あるとこそきけ” みつから【注⑦】と申はけいたんこく【契丹国】の大王
の” いつきのひめにてさふらふなるか” あるきさきの
【注① しょうげ(障礙)=悪魔・怨霊などが邪悪をすること。】
【注② 油断させる。】
【注③ 不審だ。】
【注④ 荒々しい。】
【注⑤ 古狼=年をとったオオカミ。】
【注⑥ 野干=狐の異名。また、中国では狐に似た伝説上の悪獣。よく木に登り、夜鳴く声が狼に似ているという。】
【注⑦ 一人称。私。】