翻刻
さんにより” うつほふ舟につくりこめさうははんり【蒼波万里】へなかさるゝ”
たま〳〵きとくふしきに” しんりんのたくひにあひ
たれは” さりともとこそ思ひしに” 何のつみに二たひう
きかいていにしつむへきそ” うらめしさよとかきく
とく” みたれかみをつたいて《割書:ふし| 》なみたの露の” こほるゝ
はつらぬく玉のことくなり” しもをおひたるおみな
へし” したはしほるゝふせひし” せいしかやさう
にすてられてひしき物【注①】には袖しほれ” ほす日も
なしと” わひけるも今こそ思ひしられたれ” かつらを
かけしまゆすみ” はちすをふくむくちひる” もゝの
こひ【注②】ますあひきやうなみとなみたにうちぬれ”
物おもふ人のふせいかや” うちむつけたる【注③】” 御ありさ
【注① 引敷物=しきもの。】
【注② もものこび(百の媚)=様々な媚態。】
【注③ 「うち」は接頭語。むつけたる=腹を立てている。すねている。】