翻刻
まよその見るめもいたはしやさしもに【注①】かしこき万こ
とは申せともやかてたるまかされ【注②】” けに〳〵【注③】さそおはす
らん” それ〳〵とうせん【登舟】申せとて” やかて舟にのする”
りうわう【龍王】のわさなれはむかふさまに風ふひて” ふ
さゝきのおきに十日はかりとうりう【逗留】す” さなきたに【注④】
りよはく【旅泊】はことに物うきに” 万こあまりにたへか
ねて” 風のたよりにかよひきて” いねかりそめのうたゝ
ねは” 何となるこのをとたかく” よにもすゝめのすみう
きにおとろかさんかいたはしさに《割書:いろ| 》あふきをあ
けて是をたとへ” 風大きよにやみぬれは木をう
こかして是ををしゆ《割書:ことは| 》あひみる人をこふるには”
【注① いかにも。】
【注② だるまかす=だまくらかす=だます。だるまかされ=だまされ。す】
【注③ げにげに=たしかに。】
【注④ さなきだに=そうでなくてさえ。】