翻刻
たり”いかにも仏をねかはんする人はまつ” 五かいをよく
たもつへし” 一つもかい【戒】をやふりなは” むそく【無足】たそ
く【多足】の物となつてなかく仏になるましゐ”《割書:ことは| 》おほせは
おもくさふらへと” たい三のかいもん【戒文】を” いかにとして
やふらんと” なみたくみたる計にて思ひ入てそ
おはしける” 万こもたいたう【大唐】そたち” ふつほう【仏法】るふ【流布】の
国なれは” あら〳〵かたり申す” あらしゆしやうやさて
はこしやう【後生】の御ために” きんかい【禁戒】をたもたせ給ふか”
そのかいもんの中に” ろくはらみつ【注①】のきやう【行】あり” その
中にとつてもにんにくはらみつ【忍辱波羅蜜】とは” 人の心をやふ
らす” いかに五かいをたもつても” 人の心をやふりな
は” 仏とさらになりかたし” されはにや仏には三みや
【注① 六波羅蜜=菩薩の六種の実践修行。】