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ひきあれやとそ思ふいかに〳〵と申けり” りう
女きこしめされて” それはほつしんのみのりとし”
ふつほうにおひてはひさうのところなれとも”
ねかふ事なくしては仏とさらになりかたし” 上
代はき【気】もしやうこん【上根 注①】にしてちゑ【智恵】も大ちゑなる
へし” まつせ【末世】の今はけこん【下根】にてちゑある人もす
くなし”《割書:いろ| 》むかし上代の大ちゑの人たにもいゑをい
てゝさいし【妻子】をすて” のり【法】のためになんきやうす”
しつた太し【悉達太子】はかういなるはんようのくらゐをふり
すてわりなく契ふかゝりきやしゆたら女【注②】を
よそにみ” 十九にてしゅつけをとげ” たんとくせん【檀特山 注③】
のはうれひあらゝせんにん【注④】をし【師】とたのみ” わし
【注① 根気のよいこと。忍耐強いこと。】
【注② 耶輸陀羅女(にょ)=釈尊の従妹で釈尊出家前の王妃。】
【注③ 北インドにある山。悉達太子の修行の地とする説あり。】
【注④ 阿羅邏仙人=紀元前532年頃のインドの哲学者。釋迦が出家求道のはじめに教えを請うた仙人。無所有の境地を説いたという。】