翻刻
一日にもあからす” 二日にもあからす” 《割書:いろ| 》三日四日もはやす
きて七日にこそなりにけれ”《割書:ことは| 》かまたり御らんして” あら
むさんやかのものは” うをのゑしきともなりけるか”
あやしやいかにおほつかなしと” 心をつくさせ給ふ
ところに” よみかへりたるふせひにて” もとの舟に
そあかりける” いかにととはせ給へはしはしは物を申
さす” やゝありて申けるはなふ” 此とよりりうくう
かいへゆく道は” 事もなのめならす【注①】” 一つのかしらを
さきとして” くらきところをまもつて” ちいろ【注②】の
そこへわけて入” うしほのろすいのつきぬれは” く
れなひのいろの水そあり” なをし【注③】そこへわけゆくに” こ
かねのはまちにおちつく” 五しきのれんけをひふし”
【注① なのめならず=普通でない。ひと通りでない。】
【注② 千尋=きわめて深いこと。】
【注③ 猶し=ナホに強めの助詞シが付いた語。それでも。】