翻刻
うちならし” 上天下かいのりうしんをおとろかししや
うすれは” 八たいりうわうしゅつらい【出来】してせんき
まち〳〵なりけり” なんせんふしう【注①】” ふさゝきのうら
にしてほうさをかさりちようしやうある” いさやら
いり【来臨】んやうかう【注②】なつてちやうもんとせんと” せんき
してそくはく【注③】のけんそくともをひきくしてこそ
いてられけれ” すてにりう神出給へは” こくちう【国中】の
ちこたち” 身をかさりまうけ” こゝをせんと【先途】ゝまい
給ふたゝ天人のことくなり” さる程にりうしん五
すい三ねつ【注④】たちまちまぬかれ給ひけるあひた”
何事もうちわすれまひに見とれたまひてふ
さゝきに日をそおくらるゝ”《割書:ことは| 》すはやひまこそよけ
【注① 南瞻部洲。「南閻浮提(なんえんぶだい)に同じ。須弥山の南にある閻浮提の意。人間世界の称。】
【注② 影向(やうがう)=神仏が仮にその姿を現すこと。】
【注③ 沢山。】
【注④ コマ59の注②、注③を参照。】