翻刻
れとて” あまをいてたちをかまへけり” 五しきのあや
をもつて身をまとひ” やくわう【夜光】の玉をひたい
にあて” ぬのつなのはしをこしにつけ” かねよきかた
なはりはさみなみまをわけてつつといる” たと
ひなんし【男子】の身なり共” 一人うみへいらんする事は
とゝのうほりようかめ” 大しやのおそれもあるへきに”
申さんや【注】女の身とあつて” 一人うみへ入事は
たくひすくなき心かな” すせんはんり【数千万里】のかいろをす
きりうくうのみやこにつきにけりやくわうの玉
にてらされて” くらきところはなかりけり” 見をき
たりし事なれは” まようへきにて候はす” りうくうの
ほうてん【宝殿】にあかめ【崇め】をく” すいしやうの玉” 思ひのまゝにぬ
【注 いわんや(況や)を丁寧に、また改まった口調でいうもの。まして申すまでもなく。】