翻刻
かなはしと” 思ひけるあひたかたなをぬいてふせき
けり” せんちう【船中】の人々此よしを御らんしててをあか
き身をいたきおつつふいつころんす” あはや〳〵
とおほせけり” かまたり御らんしきよけんをぬき
ゑうちのときゝつねのあたへたひたる” 一つのかまに
とりそへ” とんていらんとし給ふを” せんちうの人々”
ゆんてめてにすかつてこはいかにとてとゝめけり” す
てにはや此つなのこりすくなく見えしとき” 大しや
はしりかゝつて” なさけなくもかのあまの二つの
あしをけちきれ【注】は水のあはとそきへにける《割書:くとき| 》むな
しきしかひ【死骸】をひきあけ” しよにんの中に是を
をき一とにわつとさけふ” かまたり御らんして
【注 けちぎる=食いちぎる。】