翻刻
たてまつつて” しやうむ天わう【聖武天皇】のきさきにたゝせ
給ふ” しによ【二女】にあたり給ふを” こうはく女となつけて
三国一のひしん【美人】たり” 《割書:かゝる| 》しかるに【右に彼ひめきみのゆふに【優に】や
さしき御かたち” たとへをとるにためしなし” かつらの
まゆ【桂の眉=三日月のような美しい眉】は” あほふしてゑんさんににほふ” かすみに” 《割書:ふし| 》もゝの
こひ【百の媚】あるまなさきは” せきやうのきりのまに” ゆみは
り月のいるふせい” ひすひ【翡翠】のかんさしは” くらふしてなか
けれはやなきのいとを” 春風のけつるふせひにこ
とならす”《割書:ことは| 》 すかたは三十二さうにし” なさけは天下に
ならひもなし” かゝるゆふなる御かたちの” いこくまても
きこえのあり” 七つかとのそうわう” たいそうくはう
てい【太宗皇帝カ】はつたへきこしめされ” 《割書:いろ| 》見ぬこひにあこかれ