翻刻
雲の上もかきくもり“ 月のともゝおのつからひかりを
うしなひ給ひけり“《割書:ことは| 》しんかけいしやう【臣下卿相】一とうに“ そうもん
申されけるやうはぎよくたいの御ふせい“ よのつねな
らすおかみ申て候“ 何をかつゝませ給ふへき“ おほしめさ
るゝ事のさうはぢしんの中へせんしあれとそうし申
されたりけれは“《割書:いろ| 》御門【みかど】ゑいらんまし〳〵てあらはつかしや“
つゝむにたえぬ花のかの“ もれても人のさとりける
か“ いまは何をかつゝへき“ 是よりとうかいすせんり【数千里】“
日本ならのみやこすむ“大しよくわんかおとひおとひめを
風の《割書:ふし| 》たよりにきくからに“ みぬおもかけの“ 立そひてわ
すれもやらていかゝせん《割書:ことは| 》しんかけいしやううけ給て“
是はなによりもめてたき御しよまうにて候物かな”