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翻刻
【右丁】
次郎は泊番にて金座の役所にあり留守中住宅潰れ家婦懐妊し
てありしか娘と倶に死す老母は引窓より助出したり外に娘一人持
前侯へ奉公してありけるか是も御屋敷の潰れし時圧【壓】に打れて死す又
此娘に介副とて出せ【小さく添え書き】し召仕の女もこの節倶に死りあるし是を聞しはら
く狂を発【發】しけるか如くにてありけるとそ
三筋町 金子信助殿話
〇本所松倉町住御賄六尺岡田庄八家潰れ其身妻子共三人死して
残れるは舎弟と惣領の男子弐人なり
麻布龕前房谷 浦野六左衛門殿話
〇同所三笠町住御賄方秋元幸太郎家潰れ母と男子を失れし由
【左丁】
霊巖島 清水太一郎殿話
〇 豊海(トミヨ)橋《割書:土俗誤ておとめ橋と|いふ永代橋の西なり》【「土俗(どぞく)=その土地の習慣】の側土蔵《割書:河岸付の|くらなり》の壁崩れし間に男女の死
体【體】あり是は俗言にヒツパリと呼へる賎妓にて客とゝもに土に打れて死し
たるにてありし女は本所某の町の者なる由たしかに知れて尸【しかばね】をは送り
かへしたり男は何れの者か知れさりしとなり
神田松永町 片岡仁左衛門殿話
〇小梅瓦町何がしの家潰れしか妻は漸くにして先へ這出あたりの人
を頼み他人とゝもに屋上を穿ちて其内よりあるじを助け出したり小
児は土中に入て人に踏る中屡【しばしば】なれと恙なし
深川 相川新兵衛殿話