翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 105

ページ: 105

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【右丁】 らされと弟子を恵む事深切なりしとそ                  楓園相模屋善四郎話《割書:久保啓蔵殿|話》 〇池之端料理屋松坂屋源七下谷御数寄屋町なる声妓【せいぎ=うたひめ、芸者】それかしか家に  遊ひて酒のみ戯れ居たりし時震出し家潰れて材木の下になり挟れて  出る事ならす息子と其近隣の人駈付けて鋸にて木を伐(キリ)助け出し  たり此家の母と声妓二人は即死せる由《割書:再聞即死せし芸者の|おとくおいまの両人なり》                     《割書:池の端茶亭あけぼの話|根津山内茶屋の老夫話》 〇下谷御数寄屋町なる声【聲】妓雛吉といへるは地震に家を失ひはたたつき  なき【たづきなし=生活の手立てがない】まゝに次の日より広【廣】小路に出ておでん《割書:豆腐の|田楽也》燗酒といふ物を售【あきな】  ふ其さま面に紅粉を施し縮緬の衣類同じ半天を着し手巾(テノゴヒ)《割書:ソロバン|シボリ》   【左丁】  を被りみづから商ふ其様の異なる故往来の人立止り賎夫傭夫等一碗  を求め余【餘】計の価【價】をさしをきて惜ます尠しく貨殖【財産を増やすこと】を得たりしか後声  妓のなかまにいやしめられ坐敷へ出る事を止たりこれらは益なきすさひ  なれと毫の序にしるしつ                 浅草カヤ町   濱 弥兵衛殿話 〇浅草寺別当代は壮年にて当八月当【當】時に住す奥坐鋪に在りて潰  れし時小性と倶に寂せりとぞ 〇今戸橋畔金波楼玉屋庄吉か家は養父庄八の時七八年前古き家  を根継普請したるにて地震の時揺崩したるもむべなり此時料理人壹  人湯に入りて《割書:客を入る|湯なり》居たりしか潰家の下に成りて死す其上此家の勝