翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 107

ページ: 107

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【右丁】                 田原町   荒川謙吾殿話 〇浅草寺の大工棟梁鈴木橘麿浅草田原町に住す地震の時土蔵潰れ  奥座敷に寐たりし娵【よめ】と十三才七才の子供三人死す                   文鳳堂山城屋忠兵衛話 〇浅草駒形町川岸川増といへる料理屋《割書:麁糲の調理なれと価【價】の|賎しきをもて行はる》【麁糲(それい)=玄米】は地震  の時も未残りし客ありしか召仕の者入口の戸をしめたり是に客の  食料【食費】を与へすして去らん事を恐れてしかせるなりと然るに家頽  て多くの怪我人ありしとなん《割書:此家よりも火起り|たる由噂せり》                根岸   勝田三左衛門殿話 〇三日の朝山谷浅草町に鶴一羽死して落たるを見出て御鳥見 【左丁】  方へ届しかは即時見分ありて引取られし由これは地震に駭て飛出  て斃【たおれ】たる物なるへし                     村田平右衛門殿話 〇浅草平右衛門町河岸に若よしや権七のといふ船宿の家潰れたり是  は俗諺に太神楽と称へて二階と下との柱を継たる家にてありし  か下の方は全く二階のみ潰れ屋根は其侭落下りて常ざまの平家と  成たり人々竒【「奇」の俗字】とす 〇御蔵前の札差坂倉屋林右衛門隠居して本所御船藏前町に住居し  て在けるか其家潰れて妻子死す              神田平永町   久保啓蔵殿話