翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 110

ページ: 110

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【右丁】  成しか土蔵潰れて幼稚の娘一人死〇神田冨山町坊正飯塚市蔵  か家は土蔵のみ覆り隣家紺屋町二丁目代地家主平吉か家に倒れ  かゝり彼家潰れて其夫婦即死す《割書:この時夫婦いさかひ|したる時のよし》居合したる近隣  の女子はとく逃のびて全し〇神田鍛冶町壱丁目家主位牌屋兵助  見せ土蔵崩たり老たる父は二階に寐て無難也下に臥たりし兵助  の母と娘一人召仕壱人厄介【江戸時代、家長の傍系親族の、扶養されている者をいう】二人都合五人死す《割書:各々壁に|埋りたる也》〇十月末  のころ神田鍛冶町の街を通りてあらぬ事を詈りて狂ひ行婦人あ  りこれは地震の時家族に後れて狂を発したるものなるへし此属  猶多かりしとそ 〇神田九軒町代地に忠蔵とて少の金を貸し其足を得て暮す者あり 【左丁】  当月中災に罹りて家を失ひ庫の内に住けるか地震の時家内七  人は庫の下に臥して女弐人は二階に臥したりしか此庫潰れて  後土中より掘出して更に恙なし《割書:材木は左右の礎に支へたれは|身の内へ当らさりしとなり》 〇外神田なる永冨町三丁目代地料理人何某世渡の事にて近在へ  雇れ出たる跡にて其母と娘留守してありしか地震の時母はかけ  出し《割書:表店|なり》しか此時家潰れ圧【壓】に打れて即死す娘《割書:十三才》逃後れ  て家の内になりしか梁間にはさまれて恙なくて出たり 〇小柳町の坊正岡村氏土蔵に在りて地震の時階子踊りて常ざま  に下りる事能はされは二段目の頃より飛下りしかさせる怪我なし  おのれか土蔵の階子も思ひ之外な所へ刎飛したり