翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 112

ページ: 112

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【右丁】  にて同僚三人にて結たるか地震に恐怖して二人はうろたへ下り  たり三津間氏は残り止り火事毎に太鼓を打て方角ヲ呼たり依て  是を賞【ほめ】られ是迄見習勤なりしかあらたに同心に召出され驚きて下  りたるものは御叱り有てしはらく禁固せられけるとそ 〇小川町雉子橋通何某殿長屋を借りて住る水戸山野辺家浪人某  は不断酒ヲ好みしか此時も夫婦とも酔臥したり妻ふと目覚たる  に何やらん床の上重く世間の騒きに怪しく思ひ手をのはして夜  着の上をさくるに此家の天井葭簀【よしず。蔶は竹冠の誤り】にてありしか頭上に覆拭り  たり夫を起しけれは此時覚て考居たるに近隣の人弥【いよいよ】立さわ  きける侭地震なるやと心付天井ヲ破り家根より這出て夫婦 【左丁】  共更に怪我なし 〇川田窪の人小川町何某殿屋敷にて碁を囲みて居たる時家潰て  梁の下に成たりされと物に支へられて存命や然るに其屋鋪の家  来二三人にて梁をかゝけんとするに力及はす往来の者壱人頼み  て上んとすれと叶はす隣家より出火して次第に̪熾(ヤケ)近付に各  当惑し子火近付ぬといふ潰家の下なる男いふ迚【とて】も死へき命な  らは火にあふられんよりは一と思に殺しくれよと頼けれは各是非  なき次第なりさらは叶はぬ迄も今少し掘て見よとて人々脇差  ヲ秡【「抜」の意】屋根の上より穿ちけるに下なる者の手足に当たるをきらひ【はばかること】  なく穿ち白刃の先数ヶ所当りけれと辛ふして助出たりとなむ